咳(せき)がひどくて眠れず、睡眠不足。仕事に集中できない――。そんな悩みを抱えた患者さんが、北海道で増えています。原因の一つとして考えられるのは、ダニやハウスダストで引き起こされたアレルギー性の気管支炎や鼻炎。薬を飲んでも止まらず、病院をあちこち変えても治らない。半ば"流浪の民"と化した患者さんがたどり着くのが「医大前南4条内科」(札幌市中央区)。呼吸器系疾患の診療が専門で、アレルギー治療を得意とするクリニックです。ここに通うと、ダニアレルギーの患者さんの多くは症状が改善して、夜はぐっすり眠れるようになっています。秘けつは布団の洗濯など自宅の環境改善にありました。「気持ちよく眠りたい」。そう願う方は必見。「医大前南4条内科」の田中裕士院長(写真右)に詳しく教えていただきました。
取材・撮影:(株)Sapporocca
「医大前南4条内科」は、どのような病院でしょうか。
医大前南4条内科の入口
呼吸器系疾患の診療を専門に行うクリニックでして、肺と鼻、喉の異常から来る諸症状に対処いたします。
取り扱う主な疾患として、(1)アレルギー性気管支炎(ぜんそく)やアレルギー性鼻炎、マイコプラズマ肺炎など(2)慢性閉塞性肺疾患(COPD)(3)風邪による咳――などがあります。(詳しくはこちら)
中でも最近は、アレルギーの治療で来院される患者さんが増える傾向にあります。全体の6、7割になっているかと思います。
アレルギーの患者さんは、どのような症状で悩んでいるのでしょうか。
夜、眠ろうとすると呼吸がゼーゼーしてきます。これは気管支の中にタンが詰まって引き起こされる症状で、咳を誘発します。ゼーゼーと咳こみで眠れないまま、夜明けを迎えてしまいます。
患者さんは30~40代の働き盛りの人が増えていて、睡眠不足が何日も続くと仕事がまったく手につかなくなり、当院に駆け込んでくるんです。大学受験を控えた学生さんが、勉強に身が入らないと来院されることも珍しくありません。
薬を飲むだけでは咳が止まらないのでしょうか。
アレルギーが要因の咳でしたら、風邪に使う市販の咳止め薬を飲んでも9割以上は治りません。でも、多くの方がしつこい風邪だと思って薬を飲み続け、効かないと分かると病院を変えたりしているようですね。そして、あちこちのクリニックを転々として、つらい睡眠不足に悩まされている人が多いんです。どの病院に行っても治らず、しだいに行き場がなくなって流浪の民のようになってしまうのです。
札幌は病院が多いですよね。アレルギーの診療はしていないのでしょうか。
当院の近くだけで内科診療所は約10院ありますし、札幌医科大や市立病院など大きな病院も複数あります。
でも、アレルギー専門のクリニックは多くはありません。「風邪」と診断されて薬を飲んでも咳がなかなか止まらない人がいるんです。
私は以前、大学病院にいたことがありまして、呼吸器系の疾患を抱えた患者さんを診ていました。しかし、診療機械を難治性の疾患に優先されるなど思うような治療を患者さんにできなくて、悩んでいました。
咳を止めたくて患者さんは来ているのに、診療する機械が使えなくて後回しにされ、また後日の来院をお願いすることになってしまいます。その分、咳が長引く状況。そんなことが多々ありました。
それで、独立してアレルギーに悩む患者さんたちを受け入れるクリニック「医大前南4条内科」を開設したんです。
どのような診療をするのでしょうか。
患者さんはつらい咳を止めたくて来院しているので対応いたします。初診はまず検査をして、咳など症状の原因をつきとめます。原因が分かりましたら、症状に見合った薬を出すのと合わせて、生活指導をいたします。
アレルギーを改善するには、この生活指導が重要になってきます。それについては、また後で説明します。
咳こんで眠れなくなるようなアレルギーの原因は何でしょうか。
ダニやハウスダスト、化学物質が要因だと考えています。中でも、ダニとハウスダストが原因の咳に悩んでいらっしゃる患者さんが多いですね。
ダニは暑くて湿気が多い夏に繁殖します。気候が暖かくなってきた北海道でもダニが繁殖しやすくなっているようです。ただ、ダニは生きていると布団などの繊維にしがみついているので、人間が吸い込んで咳きこむことは、それほど多くはありません。
問題は秋・冬。ダニの死骸やフンが布団や服、カーテン、じゅうたんなどに潜んでいます。それらは簡単に舞い上がります。そして夜、布団に入って眠ろうとすると呼吸がゼーゼーといい始め、咳きこんでしまうんです。ですから、秋・冬になると、咳で寝られないで困っている患者さんの来院が急増します。
眠れないのがあまりにもつらくて、わざわざホテルに泊まる患者さんもいます。ホテルのベッドだと咳が出ないので眠れるそうなんです。これは明らかに自宅の布団などに潜んでいるダニやダストが要因でしょうね。
また、春は花粉症が患者さんを悩ませます。ダニと同じように、布団やカーテン、衣服に付着した花粉を吸いこんで、アレルギー症状を引き起こしてしまいます。化学物質では、洗濯で使う洗剤や柔軟剤などでも困っている方がいらっしゃいます。
なんだか自分も布団で寝るのが怖くなってきました。
ダニや花粉によるアレルギー患者さんは、どうすればいいのでしょうか。
ずらっと並ぶ吸入薬。
患者さんの症状に合わせて使い分けています
当院ではまず、吸入薬を処方します。吸入薬にはスプレータイプ、粉タイプ、カプセルタイプと様々ありまして、どれを使っても咳が止まるというわけではありません。病気は患者さん一人ひとりによって違うので、吸入薬一つをとっても治療効果が異なってきます。
4、5種類のタイプを用意していれば多い方ですが、当院が備えているのは40種以上。国内で利用されている吸入薬のすべてがあります。
患者さんの症状に合わせてお渡しするようにしているんです。投薬治療と合わせて行っているのが「生活指導」です。
生活指導とは、どういうことでしょうか。
症状を患者さんに説明するのに使う模型
当院に来られて、薬を使えば一時的に咳が止まって楽になる方は多いです。でも、家に帰ると咳がぶり返してしまうんです。これは、ご自宅にアレルギーの根本原因が残っているから咳が再発するんだと思います。
大学病院で働いていた頃、診察を受けて咳が止まったので帰宅した患者さんが、夜に咳が再発して止まらなくなって、救急車で病院に運び込まれることもありました。
当院が患者さんにお願いしているのは、ご自宅の環境改善です。つまり、アレルギーの元となっているダニやハウスダストを除去することです。これをしないと、いくら薬で咳が止まっても、布団に入れば症状が再び出てしまいます。
生活指導とは、どのようにダニなどを除去するか方法をアドバイスすることなんです。
どのように自宅のダニやハウスダストを除去すればよいのでしょうか。
当院の生活指導では「ダニ除去のための注意」として、資料を患者さんにお渡ししています。資料では、床掃除の仕方、布団など寝具類の管理方法、防ダニ布団の紹介などの情報を掲載しています。
資料を参考にしながら、こまめに掃除をしていただき、アレルギーの根本原因となっているダニをご自宅に住み着かせないようにお願いしています。その資料の一つに、洗濯代行とコインランドリー「ジャバリン」さんのパンフレットがあるんです。
ジャバリンは、アレルギー患者さんにどのように役立っているのでしょうか。
医大前南4条内科の待合室
ダニを退治するには、生息場所をキレイにしないといけません。それをしないと、いつまでたっても咳はおさまりません。ですから、患者さんには、ダニが好んで住み着く布団やカーテン、服などを洗濯していただくように指導しています。でも、家の洗濯機で布団を洗えません。洗ったら洗濯機が壊れちゃいますよね。
そこで、ジャバリンさんを紹介しているんです。ジャバリンさんでしたら、コインランドリーで布団の丸洗いができます。ダニは高温&乾燥した環境だと死滅しやすいので、乾燥機にかけると除去効果が期待できます。ですから、コインランドリーはダニ退治に適していると考えています。
また、重い布団を運べなければジャバリンさんが家まで取りに来て、さらに洗濯を代行していただけるサービスがあるので、女性や高齢の患者さんでも安心です。家で待っていれば、ふわふわでキレイな布団を届けてくれるんですから便利です。(詳しくは「洗濯代行とは」へ)
生活指導の効果はいかがでしょうか。
もちろん布団やカーテンの洗濯だけでは不十分でして、床掃除など室内環境のダニ除去も忘れてはいけません。その結果、ダニアレルギーの7,8割の患者さんは症状が改善して、ぐっすり眠れる夜を取り戻していらっしゃいます。
布団の洗濯ならクリーニングでもできます。どうしてジャバリンだったのですか。
布団を洗っている
ジャバリンのコインランドリー
以前はクリーニングを推奨していたんです。コインランドリーで布団が丸洗いできるなんて知らなかったですからね。でも、クリーニングだと布団一式の洗濯で1万円近くもして料金が高いし、その日のうちに出来上がりませんよね。だから、別に布団をレンタルしなくてはいけなくて、そこでも費用がかさんでしまいます。料金面と面倒さから、布団を洗いに出さない患者さんも多かったんです。
そんな時、ジャバリンさんを使っている患者さんからコインランドリーでも布団を洗えることを教えていただいたんです。コインランドリーだとクリーニングの値段の半分以下だし、常駐スタッフが洗濯をアドバイスしてくださるので患者さんが気軽に利用できると思いました。大半がその日のうちに洗い終わりますので、レンタル布団も必要ありませんよね。洗ったその日に、キレイな布団で眠れるんです。
あとは、ジャバリンさんだと洗剤や柔軟剤の量が調節できるところも魅力的です。洗濯に使う洗剤など化学物質でアレルギー反応を起こしている患者さんもいまして、洗剤や柔軟剤は悩みの種の一つなんです。ジャバリンさんにはお店にスタッフがいらっしゃるので、洗剤の調節方法を教えていただけます。コインランドリーではなく集配・洗濯代行サービスでも、洗濯物をお渡しするときにジャバリンさんに伝えれば、洗剤や柔軟剤の量を調節(ゼロも可)していただけるので安心です。
ジャバリンを紹介していただくようになって、布団を洗濯する患者さんは増えていますか?
そうですね。当院が紹介した患者さんならジャバリンさんは無料で集配していただいているそうで、患者さんは布団やカーテンなどを気軽に洗えるようになりました。
ジャバリンさんを利用した患者さんからは「ピタッと咳が止まった」という報告も受けています。生活指導が必要な患者さんは、毎日20~30人が来院されます。それだけ多くの人がアレルギーで困っているんです。患者さんがダニ除去のコストを抑えられるので、生活指導をする当院も「洗濯」を紹介しやすくて感謝しております。症状を改善させたい患者さんにとって、ジャバリンさんは心強い存在です。
ジャバリンの効果的な使い方を教えてください。
洗濯は一度きりではなく、継続的に行うことが重要です。布団やカーテンを洗っても、しばらくしたらダニの数が増えてしまいます。繁殖したか、あるいは別の場所からキレイになった場所に移ってきたのでしょう。例えば、ダニが約170匹に減ったカーテンが、3カ月後には8万匹に増えていたというデータがあります。
ダニは目に見えないので油断してしまいますが、部屋で舞い上がったホコリにも大量のダニがくっついているんです。減らしても、いつの間にか増えていると思ってください。増えない環境をキープするのが大事です。ですから、洗ってから長期間あけずに、再び丸洗いするのが理想です。
でも、洗うといってもお金がかかるので、手軽ではありませんよね。クリーニングでしたら料金が高いので定期的にご利用いただくのが厳しいです。一方のジャバリンさんなら洗いやすい価格帯。クリーニング1回の料金で、ジャバリンさんだと2、3回は洗えるんじゃないでしょうか。
この一年を振り返って、布団を洗濯したのが1回、あるいは一度も洗っていない人は、すぐに洗濯したほうが良い。今日、明日中にすぐにでも行える対策が「洗濯」です。「洗濯なら、ジャバリンさんにお任せすればOK」と考えて、患者さんにも紹介しているんですよ。
どんな症状があったらアレルギーを疑った方がよいでしょうか。
昼間は咳が出ないのに、夜に布団に入ると体のあちこちが赤くなりだして、咳きこみがひどくなる場合は、ダニアレルギーの可能性が高いです。
このインタビュー記事を読んでいる方の中には、
咳で眠れなくて悩んでいる人もいると思います。何かアドバイスはありますか。
まずは当院で診断を受けてください。症状に合った薬をお渡しします。加えて生活指導をさせてください。洗濯や掃除でダニを効果的に除去して、眠れる夜を一緒に取り戻しましょう。
また、布団やカーテンを洗濯しても、まだダニが残っていることがあります。例えば、衣替えでタンスから出してきた冬服に、ダニがついているケースもあります。患者さんの状況に合わせたアドバイスを、その都度していきます。まずはお悩みを打ち明けにいらしてください。
効果を実感するには、しっかり洗濯することが重要です。
ジャバリンの「アラワサッタ」 」サービスをご利用いただくと、お客様に代わってすべての布団やカーテンを洗濯します。
詳しくは、「アラワサッタお得な3つのポイント」(https://www.jabbaring.com/topics/arawasatta/)を確認してください。
Jabba Ring の竹内からコメント
いつもお世話になっております。 田中院長の紹介で来店する患者様が増えております。 洗った後に、アレルギー症状が治まったと、よくお話を伺います。
アレルギーの患者様を元気にするために これからもお手伝いをさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
ダニやダストだけでなく、洗剤や柔軟剤のアレルギー患者さんもいらっしゃいます。 懇切丁寧に対応しておりますのでお気軽にご相談ください。
病院概要
医大前 南4条内科(田中 裕士院長)
〒064-0804
札幌市中央区南4条西15丁目1-32ほくやく南4条ビル3F
TEL:011-521-1159
診療時間 9:00~12:00、14:00~18:00
(木曜・土曜は午前のみ)
定休日:日曜・祝日・第4土曜日
ホームページ:http://idaimaes4-naika.com/
病院紹介
呼吸器系の疾患を診察する内科病院で、アレルギー性の気管支炎(ぜんそく)や鼻炎、長引く咳の症状などで悩む患者さんが通っていらっしゃいます。
院長の田中裕士先生は、アレルギーを専門にする医学博士でして、NPO法人「札幌せき・ぜんそく・アレルギーセンター」の理事長でもあります。
投薬治療と生活指導を組み合わせた診療に力を入れており、症状が改善している患者さんが多くいらっしゃいます。